猫とジュンゴと茶碗蒸し

ボードゲームについて感じたことを書いています。

ワーカープレイスメントの食事システムに思いを馳せる

ワーカーにお食事が必要なシステムが好きではない、というお話です。

まず私が言う"お食事システム"とは
「定められたターン/ラウンド毎に、ワーカー数に対し何らかのコストを伴うチェックが発生し、
かつそのコストを満たせない場合、勝利点やリソースに対するペナルティーが発生する」
というメカニクスのことです。

特にワーカープレイスメントのボドゲって
できるだけ勝利点を増やすことを目的に遊ぶのに、
勝利点をプラスにするのではなく
勝利点またはリソースに対する負債を減らすために苦慮するのは
Not for meだなーと思っていて。


ワーカー増やすのにもアクション使ってるのに
何故またコストがかかるんだろう…とか思ったり。

でもこの考え方って、人雇ってるのにお給金なし
と一緒だよね、なんというブラック経営!とか思ったり。


例えば、ラウンドごとに払ったコストを
最終計算時にプラスとして計上できたりするなら、
食事システムがあっても個人的には好きなのかな、とも思います。
そういうボドゲにはまだ巡り合ってないけど。

でもそうすると、コスト割したときに最高効率な食事しかあげない気がするので
計算されたブラック経営をしそうな気もします。
もっとひどい。

 


ワーカープレイスメント自体は大好きなのに
なぜか食事あげないといけないボドゲはあまり好きじゃないな
と気がついて、原因を考えてみたお話でした。
(あくまで個人の感想です)

コディンカ

ふと「パズルゲームがほしい!」

と思って、買ったのがコディンカというゲーム。

2016秋のゲームマーケットに出てたみたいです。

 

 

http://freesia-enterprise.com/?page_id=2579

 

タイルを動かして、自分の目的カードを全て達成した人が勝ち。
というゲームだそうです。

タイルは結構重みがあり、色も鮮やかでいい感じです。
箱のつくりもしっかりしているのも個人的には高評価!
磁石がついててぴったり閉まります。
2-4人・15-20分で遊べるそうです。

 

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多言語版を買ったのですが、
日本語のルールはもちろん
英語のルールにもきちんと書いてないところがあったので
自分用にメモ。いつものBGGフォーラムから。


0.セットアップ
・自分の色を決める
・タイルを初期配置通りに並べる
・スピリットカードを3枚配る
・目的カードを4種1枚ずつ配る

1.ゲームの流れ
自分の手番で出来るアクションは
・基本アクション×2回必ず行う
・スピリットアクションを最大3回してもよい
・目的カード達成を1回してもよい
他のプレイヤーの手番で出来るアクションは
・他プレイヤーの手番終了時に
目的カード達成を1回してもよい

ではそれぞれのアクションを細かく。
○基本アクション
反転と入れ替えの2種類があり、
自由に組み合わせて2回行います。
[反転]
タイルを1枚指定して、表裏をひっくり返す。
[入れ替え]
自分の色のタイルを1枚指定して、
そのタイルと隣接する1枚と場所を入れ替える。
(隣接には斜めのタイルも含みます。)

ただし、この基本アクションは以下の制限があります。
①手番開始時と同じ形に戻ることを禁止
→同じタイルを[反転]-[反転]とか。
②前のプレイヤーが2番目に行ったアクションを戻すのも禁止


○スピリットアクション
上記基本アクションとは別に、スピリットカードを1枚消費して
スピリットアクションを1回行うことができます。
基本アクションの前後や、間に挟んでも構いません。
アクション実施時、以下のどれか1つを行うことが出来ます。
[ラインプッシュ]
1列を指定し、どちらかの方向に1タイル分移動します。
飛び出たタイルを、移動で空いたスペースに動かします。
[ローテート]
2×2の正方形になるように、タイル4枚を指定します。
これらのタイルを90度or180度まで回転させます。
[スピリット]
このアクション実行時に消費したスピリットカードの向きを決めます。
その向きの通りに、場のタイルの表裏を反転させて合わせます。

このアクションは基本アクションではないので、
前のプレイヤーが行ったアクションを戻す形になってもOKです。


○目的カード達成
自分の目的カードと同じ形・表裏の状態であれば
このアクションを宣言し、目的カード1枚を公開し手番終了です。
基本アクションを使い切る前でも構いませんが、
目的カード達成を宣言した時点で手番は終わるので、
アクションが無駄になっちゃいます。


他のプレイヤーターン終了時にも
目的カード達成ができるので、これを忘れないようにしつつ
スピリットカードを最後にばーんと使って勝負を決める、
という形になると思います。
さぁ、遊んでみよう。

タイムストーリーズのさらなる遊び方

「タイムストーリーズ、面白そうだけど
1回あそんだらもう遊べないんじゃ、ちょっとね」
と思っているみなさま!

実は公式から自作シナリオキットというのが
ダウンロードできるのです。

http://www.spacecowboys.fr/time-stories

上記リンク先の真ん中くらいまで進むと
[SCENARIO DESIGNER'S KIT]です。
これがあれば自分でシナリオが作れちゃうらしいですよ。
全部英語だけど。


実際、BGGのフォーラムを見てみると、
自作シナリオがいくつも投稿されています。
私が見つけたのをメモしておきます。

Switching Gears
Pariah Missouri
Year One (Fan Expansion: Batman Series #1)
Tric Trac TV
Broken Peace
Chasing Eden
THE LAST DAYS TRILOGY(スペイン語のみ)
GODS OF TIME TRILOGY(スペイン語のみ)


ちなみに上の4つは、フォーラムでレーティングもされてます。
特にSwitching Gearsは、61人の人が評価して平均7.66なので
なかなかよいFan Made Expansionみたいです。


問題は、全員が英語できないと遊べないってことなんですよね…
訳しちゃったらその人はプレイできないし、
ゲームのシステム上、個人でカードを見る仕組みなので
分からないところがあっても別の人に聞くことが出来ないから。



英語出来るメンバが集められる人は、遊んでみてほしいですね。
上記BGGのリンクからダウンロードできますよ。

祝! タイムストーリーズ日本語版発売

やっとT.I.M.E STORIESの日本語版が3月中旬に発売されるそうですね。
謎解きが好きな方や、協力ゲームが好きな方は
「このメンバで世界を救いたい!」という4人をあつめて
ぜひ遊んでほしいゲームです。

基本セットに加えて、拡張が2つ同時発売。
シナリオ名は基本セットが「療養所にて」
拡張1が「マーシー事件」
拡張2が「龍の予言」


以前の日記

で、なんとなくルールはまとめてましたが
流れの部分を1枚絵にしたものがBGGにあったのでメモ。

https://boardgamegeek.com/filepage/141795/time-stories-course-actions

英語ですけど、1枚印刷しておくと便利だと思います。




ここからは、まだ日本語化されてない拡張セットと
発売予定の拡張セットについて。
概要もちょっと書いちゃうので、
知りたくない人は読んではいけません!

















拡張3が「under the mask」N.T.1146
王家の谷でファラオの秘密を解き明かすお話。

拡張4が「Expedition: Endurance」N.T.1914
第一次大戦の最中、南極探検でのできごと。




までが公式HPにて記載されています。
BGGのフォーラムには、さらに3つの拡張が発売予定って書いてました。
今年2月のニュルンベルク国際玩具見本市で発表された情報だって。

拡張5が「Lumen Fidei」N.T.1419
ラテン語で「信仰の光」という意味で、舞台は中世のスペイン。
貴重なアイテムを盗み出すため、外交使節団に潜入します。
新たなメカニック(システムのこと?)も追加。


拡張6が「Estrella Drive」N.T.1982
ハリウッドでのショービジネス(映画産業かな)について。
文脈が見えないのでdriveをどう訳したらいいか迷うけど、
最も現代に近い時間で、18歳以上のレーティングだとか。
そんなボドゲあるんですね。


拡張7が「Frères de la Côte」N.T.1685
フランス語は分からないので調べてみると、「海岸の兄弟」というシナリオ名だって。
17世紀の海賊のお話。




1度きりしか遊べないからこそ、
どんどん拡張を出していくのでしょうね。
今後も目が離せません。

ファーストクラス

2016年 エッセンのスカウトアクション部門で1位に輝いた「ファーストクラス」。
とってもシンプルなのに遊び応えのあるステキなゲームでした。

プレイヤーはオリエント急行の列車を増築・改築したり
地図を繋げて線路を伸ばすため、
自分のターンが来たら場に並んだカードを1枚選んでアクションを実行します。
これを3ラウンド(18手番)終了したときに、勝利点の最も高い人が勝ち。
とってもシンプル。プレイ時間はプレイヤー×15分くらいです。

1ラウンド目は全然点は伸びませんが、
3ラウンド目で爆発的に点が取れて爽快感あります。
指数関数的に点が伸びるタイプのボドゲですね。
ルールも特に気になるところもなく、
ボードやカードのデザインもきれいで欲しくなってしまいます。


ここまで褒めまくりですが、ほんのちょっぴりもやもやするところがありました。
列車を10両目まで増築し、車掌さんを最後尾まで移動させた時にもらえるボーナスが
コンスタンティノープル到着」によるものです というフレーバーなんですね。

でも、それとは別に地図を繋げて列車進めているので、
「増改築してる列車と地図走ってる列車は別物なの?」
という気持ちになってしまいました。

これは個人的な好みでしかないのですが、
ボドゲってシステムとテーマが噛み合ってるとすごく気に入るのです。
例えばフェルトのドラゴンイヤーとか。

ファーストクラスを訳すと一等客席という意味なので、
テーマに沿って考えると「車両を改築してステキな列車」にする
というのがメインになりますし、
実際点数が伸びるのも客車を改築した方が伸びるように感じました。

最後尾まで車掌さんが移動したら
コンスタンティノープルに着いたよってことは
増改築しながら列車進んでたの?ともやもやしてしまいます。



あまりに完成度が高いので、
そのくらい些末なところしか突っ込み所がないとも言えますね。
アクションで使うカードもA〜Eまであり、
この組み合わせによってプレイ感が変わるそうなので
また別のパターンで遊びたいと思います。

プレイ時間も短めなので、重たいゲームにも挑戦してみたい!
という方にも是非遊んでほしいゲームでした。

ポンジスキーム

詐欺師になってお金を集め、イカしたビルを建てましょう!
というブラックなボドゲ、ポンジスキームを遊びました。


誰かのお金が無くなったら、そのプレイヤーはゲームから脱落。
同種の産業タイル毎に、1枚なら1点、2枚なら3点、3枚なら6点…という感じで計算し、
残金に応じてさらに勝利点を追加、
勝利点が最も高いプレイヤーがトップオブ詐欺師になります。

ゲームの流れはざっくりと3つ。
資金調達・秘密取引・ラウンド終了処理です。


1.資金調達
場に出ているファンドカードを1枚選んで同額の資金を銀行からもらい、
自分の時間管理トラックに配置した後、任意の産業タイルを1枚得ます。

選べるファンドカードは、自分が持っている産業タイルの高さと同じ階層のものしか選べず、
また、既に持っている産業タイルを取得する場合は、保持枚数が2枚以下でなければなりません。
ファンドカードを山札から1枚めくり、額面が昇順になるよう配置します。
これをスタートプレイヤーから1回づつ行います。

2.秘密取引
このアクションは任意ですが、指定された側はマストで処理を行います。
自分が持っている同種の産業タイルを持ったプレイヤーを1人選択し、
欲しい産業タイルを指定します。

このとき、欲しい産業タイルは自分が持っているものしか選べませんが、
既に3枚以上持っている産業タイルでも構いません。
(この秘密取引でしか、同種の産業タイルを4枚以上にする方法はありません)

皮財布っぽいコンポーネントに紙幣を挟んで、選んだプレイヤーに渡します。
受け取ったプレイヤーは以下のどちらかを選びます。
・お金をもらって、指定された産業タイルを渡す
・同額のお金を包んで返し、指定された同種の産業タイルを相手からもらう
これもスタートプレイヤーから1回づつ行います。

3.ラウンド終了処理
まずはファンドカードにクマが描かれたカードが
プレイヤー人数以上に場にないかチェック。
もしもプレイヤー人数以上のクマがいた場合、
大暴落が起きて時間管理トラックが2マス回します。
ファンドへの支払いが起きればその処理を行い、
さらに自分の産業タイルのうち、
最も枚数の多いものを1枚捨てなければなりません。

クマチェックで大暴落が起きなければ、
時間管理トラックを1マスだけ回します。
このとき、時間管理トラックの赤い印が
配置したファンドカードを示したら、
銀行にお金を払います。

スタートプレイヤーが場のファンドカードを1枚指定し、
捨て札にしてもいいフェイズを経て、
スタートプレイヤーが隣に移るとラウンド終了。
次のラウンドに移ります。




特に目新しいシステムはなくて、
読んでる方もふーんぐらいの印象だと思いますが、
このゲームの恐ろしくも凄まじい出来なのは次の3つだと感じました。
1)資金調達時の保持産業タイル枚数による影響管理
2)拒否権のない秘密取引
3)個人間でしか知り得ない秘密取引による相場感の不明瞭さ


1)資金調達時の保持産業タイル枚数による影響管理
場のファンドカードは3×3の計9枚置かれていますが、
自分が持っている同種の産業タイルの枚数によって、
どのファンドカードをとれるかが変わります。

産業タイルは最終的な勝利点であるだけでなく、
資金調達にも関わる大事な要素になっているんです。
勝利点を伸ばすには、同種の産業タイルを集めた方がよいですが、
大暴落時のリスクも高く、資金調達にも幅が出せなくなる作りになっています。

2)拒否権のない秘密取引
指定されたプレイヤーは、拒否できない。
つまり、産業タイルを渡したくなければお金を払うしかないのです。
逆に言えば、安い値段で持ちかけると自身の産業タイルを失う可能性が高いわけで。

3)個人間でしか知り得ない秘密取引による相場感の不明瞭さ
自分が提示した額であっさり買われてしまったとき、
「えっ 安すぎたの???」という不安に駆られますが
情報は取引を行った二者間だけのものです。
相場からはずれてるんだろうけど確認する術はない。
そんな不安感に苛まれること請け合いです。




私が遊んだときは、初めに産業タイルをとられてしまった人は
そのまま凹んで浮上できませんでした。
強気に買い叩きまくってた人の勝利。
産業タイル0枚になると、取れるファンドカードの額面も小さくなるので
どうにも動けなくなっちゃうんですよね。

さらに、クマカードの出現率が低く、大暴落が起きなかったのも
強気プレイヤーが勝った要因かも。
大暴落の影響は、走ってるプレイヤーが一番大きく受けるはずなので。

かなり変わったボドゲですから、
決して万人に薦められるものではありませんが、遊ぶ価値あるボドゲです。
人を選んで遊んでみましょう。