猫とジュンゴと茶碗蒸し

ボードゲームについて感じたことを書いています。

美術館に行こう!

ということでいくつか見てきたのをメモメモ。
今年はあんまり行けてないのだけれど。


○「超絶技巧!明治工芸の粋」@三井記念美術館
三井さんとこは地下鉄直結で行けるから雨の日でもらくちん。
明治時代の建屋そのままにされていて内装もとても素敵な美術館です。

今回は村田コレクションからの展覧会。
いつもは京都の三年坂にしまってあるのをお借りしてきたそうです。
もちろんいいのを厳選して。


本当に明治時代の工芸品は眼をみはるものがありますね。
あまり言い方はよろしくないけれど、その精緻さは頭おかしいんじゃないのって思うレベルなんです。

特に並河靖之の有線七宝は茫然としてしまいました。
薄手の銀線たてることの難しさはちょっぴり知っているだけに、
わけがわからないよ…って思いました。
しかもそんな作品がいくつもある!
製作スピードも尋常じゃなかったことが伺えます。

個人的に一押しは蝶に花の丸唐草文花瓶。
これが一番イケてた。

八面四色に塗り分けられた花瓶なのですが、
ベースカラーは結構地味め。
でも、色と色の境界線上に鮮やかな草花や蝶が舞っていてとても華やか。
綺麗に八分割された面を上記の絵柄が横断することで、
シンメトリーにはない動きがあって好きです。
本当に好きです。前でため息が出てしまうくらい。はぁ。




あと恥ずかしながら、無線七宝を初めて見ました。濤川惣助の。
釉薬が混ざって境界がふんわり仕上がるので、とてもやさしくおちついたイメージを受けました。

そして薩摩焼
鹿児島の焼き物って沈壽官窯の白磁に金彩がいいよねー
華美な薩摩焼はちょっとやだよねーとか思ってたけど、
実物見たら私馬鹿だなって思いました。凄い。


大阪の藪名山のお椀には、3mmくらいの蝶が何百と描かれています。
焼き物なのに!
しかも翅の上下で色変えてるとか、触角ついてるとか。


明治期の焼き物だと真葛焼一択だよって思っていましたが、
他にも凄まじいモノはたくさんあるんだね。
幕藩体制から明治政府に移ったこの時代、
込められた思いやその熱量が違うなって感じます。
日本にはなかった技術や資材が一気に流入して
当時の人は作っていて楽しくてしょうがなかったんだろうな。
あんなこともできる!こんなこともできちゃう!!って。
そうこうしているうちに、とんでもないところまで昇華されてしまって
100年後の私たちには再現不可能な作品も数多く生まれたんです。
ロストテクノロジーなんですよ、明治期の工芸品って。
観に行って本当に良かった。


三井記念美術館HP
http://www.mitsui-museum.jp/index.html
展覧会プレスリリース
http://www.mitsui-museum.jp/pdf/pressrelease140419.pdf
目録一覧
http://www.mitsui-museum.jp/pdf/mokuroku_140724.pdf

目録みてたらまた見たくなってきたよ…
本当に素晴らしい品ばかりですので、是非みなさまご観覧ください。




○オランダ・ハーグ派展@損保ジャパン東郷青児美術館
42Fという高層階にある美術館。
西新宿の街を一望できる眺めも素敵なところ。
あとはゴッホのひまわりがあるので有名ですね。


ゴッホとかミレーとかメジャー所の出品があったので、
一応いっておこうかなーくらいの感じで行ってきました。
可もなく不可もなくぐらいでした。

クールベの絵もあったけど、いまいちだった。
絶望とか一度みてみたいと思ってるんだけど。


損保ジャパン東郷青児美術館HP
http://www.sompo-japan.co.jp/museum/index.html
目録一覧
http://www.sompo-japan.co.jp/museum/exevit/pdf/p075_list.pdf




○ヴァロットン--冷たい炎の画家@三菱一号館美術館
丸の内にある明治期の建屋。
ここは夏に来てもふしぎと涼しい風が吹いているんです。
ここも大好きな美術館。


実は聞いたこともない画家さんだったのだけど、
三菱で展覧会やるくらいなら間違いないはず!
という監督で映画見る感覚で行ってきました。
そして可もなく不可もなく。


それよりも!
展覧会の途中にぽんって展示してあった静嘉堂コレクションが!
すごい!!


静嘉堂文庫美術館って二子玉川のほうにあるんだけど、
来年の秋まで改装中で見たくても見れない。
ここも焼き物のコレクションがいいんです。
天目とか仁清の茶壷とかがある(はず…)。まだ行ったことないけど!

それがたまたま三菱に貸し出してくれてたそうでびっくり。
あったのは清朝の単色釉磁器だけど、どれも窯から出したばかりのような発色。
ぱっと眼に入ったのは火焔紅管耳方瓶だけど、いちばんよかったのは藍釉暗花龍文盤かな。

予想外の収穫でとっても得した気分になりました。
今回は清朝単色釉磁器でしたが、展覧会の入れ替えに合わせて
貸出品も変えていくそうです。
次回はミレーだし、見るしかないね!


三菱一号館美術館
http://mimt.jp/
ヴァロットン特設ページ
http://mimt.jp/vallotton/top.php
静嘉堂文庫美術館
http://www.seikado.or.jp/